『クリスマスは年に一度しか来ない』¹ クリスマスは英語でChrist(キリスト)のmass(祭儀)の意味である。Xmasと書く場合のXはギリシャ語のクリストスの頭文字であり、同時にXは十字架にも似ているので用いられている。 イエス・キリストはエルサレムの南6キロの小村ベツレヘムに生まれたが、聖書に月日の明記はない。4世紀に12月25日に固定された。その背景には、太陽が再び新しくなる冬至に対するヨーロッパ諸民族の考えが反映しているようだ。 その前日24日の夜はクリスマス・イヴ。鵞鳥や七面鳥(七面鳥はアメリカ原産であり、イギリスに入ったのは1520年)などのご馳走を食べる。これは、中世ヨーロッパで、夕方からキリストが生まれた真夜中まで、聖誕を物語る神秘劇を中心とする長い儀式が行われたが、その途中の息抜きの食事が次第に豪華になったとする説がある。 その後は宗教的儀式とかかわりなく、祝祭気分は世界的にエスカレートするばかりである。しかし一年に一度だけなので、羽目をはずすのも大目に見よう、と同時にこの時ばかりも恵まれない人々に暖かい手を差し伸べようということ。 1. Christmas comes but once a year. |