『男の年は気持通り、女の年は顔つき通り』¹

 いつも疑問に思うのだが、なぜ女性はある年頃になると化粧を始め、始めたが最後、例外はあろうが、最後まで止めることが出来ないのであろうかと。年を取るほど、いわゆるメイクをした時としない時では大きな差が出るのは驚きである。

 ところが男性は、最近は少し流行しているらしいが、ほとんどメイクをしない。メイクをしなくても、老けたからといって平気でいられる。まさかその生地において、男は女より美しく老けられるわけではないであろう。

 この問題は深く考える暇も無いままに未解決であったが、このたび標記のことわざに遭遇し、解決を見たような気がした。

 このことわざによれば、男はいくら顔が老けても気持が若ければ若いのだということになるが、この論理でいけば、女はいくら気持が若くても顔が老けていれば老けているということになる。これを裏返しにすれば、男はいくら顔が若くても心が老けていれば老けており、女はいくら心が老けていても顔が若ければ若く見えるということになる。

 だからいずれにしても、女はいつも化粧して年を隠さなければならないということになるのだ。

 この論理、納得できますか。

1. A man is as old as he feels, and a woman as old as she looks.

(志子田光雄)