『九月よ、果実を屋根裏にしまうまで風を静かに吹かせておくれ』¹

 九月は英語でSeptember、ドイツ語でもSeptember、フランス語ではseptembreであり、ラテン語の7を意味するseptem に語源があり、古代ローマの暦では7月を指した。本『西洋のことわざ』の1月の紹介で述べたように、古代ローマの暦では3月が最初の月であったが、一年を12ヶ月とするためJanuaryFebruary が付け加えられ、さらに1582年ローマ教皇グレコリオ13世がいわゆるグレゴリオ暦を制定し、Januaryを1年の最初の月とするようになって以来、2つ月がずれたため、本来の7月が9月になったのである。

 『九月には学校へ帰ってゆく』²という言葉がことわざを織り込んだ歌の中に読まれるように、9月には新しい学年が始まり、商店のショーウインドウにはBack to School Saleの文字が躍って、子供たちは新しい教科書や学用品の買い物に忙しい。

 また『九月は緑の葉を茶色にする』³とあるように、そろそろ紅葉も始まる。しかし、何よりも実りの収穫の時期である。この頃に、日本でも台風が襲来することが多いが、願わくは強風が吹いてせっかくの収穫が駄目にならないようにとは、誰もの共通の願いである。

1. September, blow soft till the fruit is in the loft.
2. We go back to school in September.
3. September turns the green leaves brown.

(志子田光雄