『星は日光のために見えない』 

 『太陽はすべてのものを見、そしてあらわにする』2 ということわざがあるように、太陽はすべてのものを照らして可視的にする。しかし太陽の光にも明らかに出来ないものがあるのだ。真昼の空に輝く星々である。昼の大空に張り付いている星辰は、夜空の星々と同じく美しく煌めいているが、太陽の光の輝きにさえぎられて見えないのである。

 このように、この世には、現実にはしっかり存在しているのに、その周りでより強く存在を主張するもののために、その姿を明らかにすることが出来ないでいるものがあるのだ。

しかし、これらの真昼の星々は永久に見えないのではない。今昼に見えない星々も、季節が変われば見えるようになる。

そのように、今誰かに自分の煌めきを消されている者も、いずれの日にかその存在を認められる時が巡ってくる、という希望をもって存在し続けることが肝心なのだ。

1.  Stars are not seen by sunshine.
2.  Sol omnia videt ac revelat.

(志子田光雄)