『学校の中の話を外でするな』1

 いささか古くなったが大学の自治を盾にして外部からの干渉を避けるために学内のことは外へ漏らすなとか、よくあることだが校内暴力など学校内の不祥事はなるべく公にしないようにしようとか、いじめられっ子は親にも先生にもその事実を固く口をつぐんで言わないようにする、などという現代的状況を述べたものではない。

 この表現は、イギリスではすでに16世紀に見出されており、子供の間から発生し、子供への忠告として用いられた。学校で誰々が叱られたとか、立たされたというような話は、両親や友達にしゃべるなということで、そこから「内緒の話を他の場所では話すな」という意味になる。英語で “to tell tales out of school”は「内の秘密を外に漏らす」の意味である。

 学校を酒場に変え、『酒場での話を外ではするな』、すなわち酔いに任せての上司批判は酒場の外では行なうな、というサラリーマン向けのヴァリエーションもある。

1.  Tell no tales out of school.
Var. Tell no school tales.
2.  Tell no tales out of the tavern.

(志子田光雄)